ビジネス書 読書感想文 第2回 USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門 森岡 毅著

1.この本を選んだきっかけ

 実は森岡さんの本で最初に読んだのは「苦しかったときの話をしようか」という本で、自分の強みや特性の見つけ方やキャリアの積み方に関する本であった。これは自分が独立して仕事をしていく中で方向性を探るうえで参考になればと読んでみた。この本は自分の強みの見つか方やキャリアの積みあげ方に非常に参考になった。本当は学生時代に読んでおくのがベストかもしれないが・・・

 この本の中で何度かマーケティングのくだりがあり、その都度「詳細は、USJを劇的に変えた・・・」と書かれており、思わずポッチっと買ってしまったというのが出会ったきっかけ。ただ、マーケティングに関わる仕事をしておきながら読んだことがないというのも問題だろうという義務感に近い部分もあったことも否めない。

 

2.本の要約

・日本の企業の多くは「技術志向」で「マーケティング」ができていない。

・「商品を売る」のは営業の仕事、「商品を売れるようにする」のがマーケティングの仕事

・「マーケティングの仕事」=「自社ブランドを売れるようにすること」=「消費者の頭の中に自社ブランドが選ばれる必然をつくること」=「競争に有利なブランド・エクイティー(一定のイメージ)」を作ること⇒そのための活動を「ブランディング」と呼ぶ。

・「認知率」「購入率」「再購入率」等のビジネス・ドライバーに数値をあてはめることでブランドの売上を計算する。マーケターは各ビジネス・ドライバーをどういじればもっと違う結果が出せるのかを思案しなければならない。

・戦略の核となる考え方は「選択と集中」。全てをやろうとすることは戦略がないということ。

マーケティングフレームワークは、目的(OBJECTIVE)→目標(WHO)→戦略(WHAT)→戦術(HOW)であるがその前に「戦況分析」が必要で重要。

・「WHAT」は表層的なものではなく、根源的な便益’(ベネフィット)。東京ディズニーリゾートのWHATは「幸福感」。

・「WHAT」を考える際にはポジショニングが大切。ポジショニングは相対的。

・「HOW」は4P(Product・Price・Place・Promotion)で考える。

 

3.感想と考察

マーケティングを非常にわかりやすく解説した本であった。「消費者視点」、消費者に届けるのは便益(ベネフィット)、戦略の前に戦況分析(調査)の重要性等がわかりやすく書いてあった。マーケティングを知りたい人は、マーケティング学の参考書を読むより、こっちの方がオススメ。

この本を通じて、深めたい「マーケティング」学の分野が見えてきた。具体的には、市場分析や成功確率を高めるビジネス・ドライバーの考え方、資源配分の具体的なやり方である。数学的な考え方を取り入れ、確率を高めたより実戦に使えるマーケティングをもう少し学んでみたい。

ということで、今、森岡さんの本、3冊目として「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力」を購入。3,520円となかなか高額。

難しそうだけどがんばって読みます!

 

小島康伸